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2011年08月22日

女妖怪「わ、私を呼び出した代償が“童貞”だと・・・!?」『 完結 』

女妖怪「わ、私を呼び出した代償が“童貞”だと・・・!?」『完結』

351: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 07:22:50.22
ID:nfJWfDKY0

ゴロゴロゴロゴロ

男「なんだ!?」

女妖怪「んにゃ……ん……お?」

男「お、おいおきろ、なんか入ってきたぞ」

女妖怪「なにをー……? え」

女妖怪「こ、こいつ妖狐か! なぜこの部屋にはいれた!?」

男「あ、えっと、俺が窓開けたら……」

女妖怪「た、たわけ! 自ら結界を壊してどうする!」

男「そ、そんなのあったんだ、ごめん」

女妖怪「だー、もう! 始末してくれる!」

妖狐「お、おまちを! お話を聞いてくださいっ!」

※最初から読む
■女妖怪「わ、私を呼び出した代償が“童貞”だと・・・!?」
※おすすめスレから読む
■いじめから助けてくれた子のことを話したい


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348: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 07:19:32.40
ID:M5EduhPFO

東洋? 西洋?




352: 1 投稿日:2011/08/21(日) 07:24:05.55
ID:nfJWfDKY0

>>348
あ、めんごめんご
東洋じゃなくて西洋ですね。変換しといてください




357: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 07:30:36.08
ID:nfJWfDKY0

男「ほ、ほら、おちつけって」

女妖怪「ぐるるる」

妖狐「あう。す、すいません、いきなり尋ねてきちゃって」

男「どうしたんだ」

妖狐「そ、その、助けてほしくて……!」

女妖怪「ほらまた面倒事もってきた、だからさっさと始末を」

男「す、すまん、こいつ寝てるところを起こされてご機嫌斜めなんだ」

妖狐「ご、ごめんなさいっ」

男「ほらおちつけって。話きかなきゃ」

女妖怪「ぐううう」




361: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 07:38:33.38
ID:nfJWfDKY0

妖狐「私のご主人様の様子が、最近おかしくて……」

妖狐「いままではとてもやさしかったのですが」

妖狐「最近まるで人が変わったように、荒々しくなってしまって……」

妖狐「私では手のつけようもありません」

妖狐「どうにも何かに憑かれているようなのです」

妖狐「そこで、どうかご主人様を憑き物から助けてはくださいませんか!」

男「なるほど……」

男「あれ、ご主人様ってことは、君も契約してるの?」

妖狐「いいえ。私はただの狐として可愛がってもらっていました」

妖狐「この姿は、ご主人様には見せたことはありません」

男「なるほど、そういうのもあるのか……」




364: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 07:44:46.77
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「ちょっとまて。それ以前に何でお前、私達を知っている」

妖狐「へ? あ、最近このあたりでちょっとした話の種ですよ」

妖狐「このアパートに強力な妖怪がいるって……」

妖狐「先日の淫魔を退治した話も風の噂で聞きました」

妖狐「あの辺りでは、どうにも手を焼いていたみたいですから」

男「そ、そうなのか……」

女妖怪「うーむ、そういえばこの結界で中は守れてもいるのはバレバレか」

男「バレないほうがよかったのか?」

女妖怪「いやべつに隠す気もなかったが」

男「そ、そうか」




368: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 07:53:35.17
ID:nfJWfDKY0

妖狐「な、なんでもします!」

女妖怪「なんでも……?」

妖狐「な、なんでも……」

女妖怪「下の世話もか」

妖狐「なっ……、え、ええ、もちろん!」

女妖怪「だ、そうだ」

男「そこで俺にふるなよ!」

女妖怪「受けるのか?」

男「いやまあ、困ってて、助けられるなら……」

女妖怪「はあ、変態め、色魔め」

男「ひどいいい様だな……」




371: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 08:01:18.09
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「まあよい、とりあえずは明日だ。お前は寝ろ」

男「ん、わかった」

女妖怪「おやすみ」

男「おやすみ」

女妖怪「……」

妖狐「……」

すーすー

女妖怪「屋根の上ででも、話の続きをしようかの」

妖狐「……」




374: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 08:10:22.09
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「貴様なぜ自分で助けない?」

妖狐「どうしようもないからですが……」

女妖怪「猫をかぶるな。助けを請うなら素性くらい明かせ」

女妖怪「貴様、本来力のあるものだろう?」

妖狐「……」

女妖怪「九尾か、天狐か、空狐ではなさそうだが」

妖狐「お見通しか、やりますねあなた。空狐になりかけの天狐ですよ」

妖狐「でもあなただって、本来の力よりもぜんぜん……」

妖狐「いえ、この感じ、手負いですかね」

女妖怪「……ほう」




379: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 08:17:16.10
ID:nfJWfDKY0

妖狐「おおむね、人化して身を隠し回復待ちか」

妖狐「召喚で強制的に体を移動させて退避したかったのか」

妖狐「あるいは両方か」

女妖怪「さて、どうかな」

妖狐「本題はこちらですか」

女妖怪「そのあたりの変なことを、あいつに吹き込むなよ」

妖狐「ふむ」

女妖怪「あいつも記憶があいまいみたいだしな」

女妖怪「たまの日常というのも、悪くない」

妖狐「……分かりました」




385: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 08:36:28.35
ID:nfJWfDKY0

――翌日

男「とりあえず今日は普通に仕事いってくるよ」

女妖怪「うむ、いってこい」

妖狐「いってらっしゃーいませー!」

女妖怪「お前すごい猫っかぶりじゃな」

妖狐「まあまあ」

男「ん、どうした?」

妖狐「なんでもないですよう!」

男「そ、そうか」




388: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 08:46:19.74
ID:nfJWfDKY0

男(んー、案外妖怪事情も大変なんだな)

男(知らなきゃ知らないでよかったけど、知ると気になってしまう)

女「どーしたんですかっ難しい顔して!」

男「ああいや、べつに」

女「あ、もしかして、また妖怪がどうとか」

男「なっ」

女「あれ、あたりですか? やった!」

女「男さん、霊媒師ですもんねー!」

男「え? なんでそう……」

女「だって私の憑き物とってくれたじゃないですか!」

男「あー、えーと……」

男(まあ大体あってるし、ややこしくなるくらいならそれでもいいか……)




390: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 08:50:38.75
ID:nfJWfDKY0

男「え、今日飲み会だっけ」

同僚「何だお前わすれてんのかー」

女「会社の人たちでやるっていってたじゃないですか!」

男「あー、あー……、そういえば?」

同僚「まったくお前ってやつは。ちゃんとこいよ」

男「ん……」

男(うーん、家に連絡しておくか、一応)

男(電話くらいなら使えるだろうし)

男「わかった、大丈夫」




393: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 08:55:38.55
ID:nfJWfDKY0

――夜

男「飲みすぎたな……」

男(皆には大丈夫っていってきたけど、うーん、戻しそうだ)

男(どこかトイレがあれば……)

男「うっ」

男(もうあの茂みでいいか)

いそいそ

男「ふう……。すっきりした」

男「しっかしここ暗い――……っ!」

男(なにかいる……!?)




398: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 09:01:29.20
ID:nfJWfDKY0

男「あ……」

蛙妖怪「あ、あぁぁああっ」

男(お、襲われてるっ! あの黒い影が例の西洋の妖怪か?)

男「お、おい! なにしてる!」

ドサッ

赤い目がこちらをむく

「グエッ! グエエエ!」

男(こっちにくる……!)

男「がはッ」

顔を殴られ、転ばされた。




401: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 09:04:58.83
ID:nfJWfDKY0

男「や、やめろっ」

「グエエッ!グエッグエッ!」

男(くそっ、こいつ今まで見てきた妖怪とぜんぜん違う……!)

男(話が通じない!)

男「ぐっ」

男(馬乗りになられるのは、やばい……)

男(誰か)

男「ぐあっ」

腹と顔に、何度も拳が刺さる。

かぱぁ……。

男(こ、こいつ……! 俺のこと食う気か!?)




406: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 09:10:08.82
ID:nfJWfDKY0

ズドンッ

男「ッ!」

背広妖怪「気をつけてくださいねと言ったでしょう」

男「お、お前!」

背広妖怪「同士よ」

「グエッ……、グエエッ」

背広妖怪「これは使い魔ですな。少々おまちを」

彼の動きは早かった。
重い一撃が何度も使い魔にささる。

「グエ……」

男「き、消えた……」




409: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 09:14:22.76
ID:nfJWfDKY0

男「あ、ありがとう」

背広妖怪「いえいえ、これしき」

男「でもどうして、ここに?」

背広妖怪「ここ、ソープ街ですよ。最高の覗きが堪能できますよ」

背広妖怪「あ、ご一緒にいかがですか」

男「いやそれはやめておきます……」

背広妖怪「それは残念」

男「意外と、強かったんですね」

背広妖怪「紳士のたしなみ程度には」

背広妖怪「お家までお送りいたしましょう」




414: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 09:19:15.09
ID:nfJWfDKY0

もうしわけない
一度休憩を・・・!
見てくれてた人ありがとうございます
最後まで考えてあるので、おきてまたあったら続き書きますね




589: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 17:40:08.63
ID:nfJWfDKY0

背広妖怪「ほう、これはまたすばらしい結界ですな」

男「そうなんですか?」

背広妖怪「ええ、この私も腕にそこそこの自信はありますが」

背広妖怪「あの部屋を覗くには手間がかかりそうだ」

男「覗きはやめてください……」

背広妖怪「冗談ですよ。ほらおむかえだ」

だだだっ

女妖怪「遅かったではないか心配したぞ――誰じゃお前!」

背広妖怪「通りすがりの同士ですよ。彼をお送りしただけです」

背広妖怪「……おや、まさか本当に契約しているとは」




596: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 17:45:00.27
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「む……、貴様」

妖狐「おお、これはまた珍しい妖怪ですね」

背広妖怪「いえいえ、普通の紳士ですので」

女妖怪「……手をつけるなよ、私のものじゃからな」

背広妖怪「ははは、そんな怖い目で見ないでください」

背広妖怪「何もしてませんし、何もしませんよ。彼には恩義もありますから」

背広妖怪「ではでは私はこれにて、失礼いたします」

背広妖怪「また会いましょう、同士よ」

男「お、おう」

シュンッ




603: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 17:49:31.65
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「使い魔に襲われたじゃと! このたわけが!」

男「ご、ごめんって……」

女妖怪「人の中にいれば襲われることもないと高をくくっていたのが間違いじゃった」

女妖怪「次はもう定刻どおり帰れ! いいな!」

男「わ、わかったよ……」

女妖怪「ぐううう、しかも死神になど憑かれおって……!」

男「えっ」

妖狐「いやいや、あの人彼には憑いてないですけど」

女妖怪「仲良うなれば同じじゃ!」

男「死……神……?」




608: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 17:54:00.24
ID:nfJWfDKY0

男「そうか、あいつ死神だったのか……」

妖狐「死神といっても、悪い妖怪じゃないですけどね」

妖狐「あなたには憑けませんし」

男「なんで?」

妖狐「この方ががっつり憑いちゃっ――」

女妖怪「うるさいな君は、変なこと言うなと言ったじゃろ」

妖狐「すすすすいませんー!」

男「ふむ……」

女妖怪「まあ気にするな、とにかく飯じゃ飯」

男「お、おう」




621: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:02:34.87
ID:nfJWfDKY0

――数日後の休日

妖狐「では、行きましょうか」

男「おう。悪いな、休日までまってもらって……」

妖狐「いえいえ、ちょうどいい感じだと思いますよ」

男「ちょうどいい?」

妖狐「あ、いえ、そんな気がするなーって」

女妖怪「ふん」

男「わかった。それでどこなんだ」

妖狐「えーと」




628: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:06:59.30
ID:nfJWfDKY0

電車で二十分とすこし、徒歩で二十分とすこし。

妖狐「このお屋敷です」

男「立派なところだな……」

女妖怪「……いい感じに仕上がってしまってるな」

妖狐「ですね」

男「……?」

妖狐「私がこの家から出て、張っていた結界がなくなってしまったのですよ」

妖狐「だから、悪霊がやりたい放題しているようです」

男「悪霊……、そいつが憑き物か」

妖狐「たぶん」




631: 投稿日:2011/08/21(日) 18:12:40.07
ID:nfJWfDKY0

ギィ……。

男「勝手に入っちゃって良いのか」

妖狐「この際仕方ありません。もう気づかれているでしょうし」

男「ん……」

ぐらり。

男「――っ!」

女妖怪「くるぞ」

男(空間がゆがんでる……、小人のときよりももっと……!)

妖狐「ご、ご主人様!」




637: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:18:16.80
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「貴様、悪魔だな」

悪魔「ご名答、よくわかったな」

男「なっ……」

男(どこからみても、人間に見える……!)

女妖怪「先日こいつを襲った使い魔の残り香、それと同じじゃ」

悪魔「なるほど鼻がいいようだな」

女妖怪「その程度造作もない」

妖狐「やはりご主人様に憑依していたか……!」

悪魔「なに、契約だぞ? こいつと俺が同意の上だ」

妖狐「ご主人様は悪魔との契約などしない」

悪魔「なにを。契約は金と女だったが」

妖狐「な……、うそだっ!」




641: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:24:28.36
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「だまされるな。どうせ悪魔の事だ」

女妖怪「そうなるよう術でもかけたか、仕向けたか」

女妖怪「いずれにせよ、正常なまま契約などするものか」

悪魔「くっくく、相手がうなづけばそれで良い」

妖狐「貴様ッ……!」

女妖怪「落ち着け妖狐!」

バンッ

妖狐「かはっ……」

悪魔「ふん、大した妖狐でもないくせに噛み付くな」

妖狐「ご主人様の声で……しゃべるなッ!」

男「よ、妖狐、落ち着いて……」




645: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:29:08.00
ID:nfJWfDKY0

悪魔「しかし馬鹿だな、敵の陣地に自ら踏み込むとは」

男「むっ!? わわ!?」

妖狐「あう……っ」

ぐにゃりと、空間が体を絡めとる。

悪魔「質の良い食事だ。いただこう」

女妖怪「そうか、貴様か。この辺りで妖怪狩りをしていたのは」

悪魔「この辺りの妖怪は気がぬけていて、ずいぶん食いやすかったぞ」

妖狐「ご、ご主人、様」

男(うごけな……っ、飲み込まれる!)

男「がっ」

男(意識が……)




647: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:30:16.46
ID:nfJWfDKY0

っと、途中だがごめんなさい
できればこのスレで終わらせたいです;
なのでもうしわけないのですが減速で静観体制をお願いします……っ
ちゃんと最後まで書きますので

突っ込みどころはごめなさい・・orz




653: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:35:53.65
ID:nfJWfDKY0

妖狐「男さん……」

女妖怪「……」

悪魔「おお、妖狐、取り込めばわかるぞ、美味だ……」

妖狐「……」

悪魔「貴様もなかなかだな」

女妖怪「当然よ」

悪魔「なんだ先からその余裕は。気に食わないな」

悪魔「死ね」

グオッ

女妖怪「女性の扱いはもっと丁寧にしろ」

悪魔「む!?」

妖狐「結界を起動します」




658: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:41:59.47
ID:nfJWfDKY0

悪魔「結界はこわしたはずだが……」

妖狐「仕込みくらいしますよ」

悪魔「貴様……ッ! ただの妖狐じゃないな!?」

妖狐「貴方が領域をこの家で展開するのを待っていました」

女妖怪「話も聞けたからな、もう十分じゃ」

悪魔「だが中で結界を使ってどうするというのかッ!」

女妖怪「妖怪もぐろーばる化とやらが進んでいるようじゃが」

女妖怪「国外の結界類はしらぬか」

妖狐「この結界は領域内の妖気を固定し」

悪魔「チィッ……!」

妖狐「敵を逃さぬと当時に、一時的に安定した――」

女妖怪「――人化の解除を行う」




664: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:47:46.54
ID:nfJWfDKY0

ゴウッ

女妖怪『ひさしぶりじゃなコレも』

女妖怪『やつが気をうしなっているのも好都合』

悪魔「な、な、貴様……ッ!」

女妖怪『食らわれるのは、お前じゃ』

悪魔「蛇、姫……!」

妖狐「なるほど、蛇姫でしたか……」

女妖怪『下賤な悪魔よ。我が糧となることを喜べ』

大蛇の口が大きくひらき、悪魔へとかぶさる。

悪魔「はっはっはっはははは!」

悪魔「見つけたぞ、俺の手柄だ!」

悪魔「報告してやる、報告してやる、蛇姫を見つけたぞ!」

悪魔は捨て台詞と共に、飲み込まれた。




671: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:53:34.68
ID:nfJWfDKY0

空間の歪みが戻っていく。

女妖怪「外に使い魔でもいたか……、ちっ」

妖狐「ご主人様っ」

「よう子……か……」

妖狐「はいっ、はいっ! よかった、ご無事で……っ」

「すまぬ、な」

妖狐「いえ、そんなことは……っ」

彼から肩の力が抜け、倒れた。

妖狐「ご主人様……」

女妖怪「しばらく安静にしておけ。おい、お前は大丈夫か」

男「ん……」

女妖怪「こちらもしばらく目を覚ましそうにないな」

女妖怪「仕方ない、持ち帰るか」




674: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 18:58:36.62
ID:nfJWfDKY0

男「ん……」

女妖怪「起きたか」

男「あ、ああ……」

女妖怪「気分が優れぬか」

男「いや、大丈夫。ちょっと疲れただけだよ」

男「ってあれこの体勢……、なんで上から見下ろし……」

女妖怪「膝枕じゃが」

男「なななな」

女妖怪「女の膝枕は、男にはとても効果的だと聞いたことがあるぞ」

男「ぐ、う……」




678: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 19:03:36.52
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「ええいおきようとするな、しばらくこのままでいろ」

男「い、いや、さすがに……」

女妖怪「悪魔に力を吸われて、立つのも厳しいじゃろ」

男「む……」

男(甘い女性の香りのほうが、厳しいのだけど……)

女妖怪「すまんな」

女妖怪「本当は、貴様などつれていきとうなかった」

男「……」

男「やっぱり、俺も一緒にって、おかしいよな」

男「戦えるわけじゃないし、君だけで何とか出来そうだったし」

男「ごめん、足手まといに……」

女妖怪「いや」




679: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 19:08:14.70
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「強い力を、食わねばならなくてな」

女妖怪「そのためには人化を解かねばならなかった」

女妖怪「妖狐の作る結界と、その中に貴様がいることで初めて」

女妖怪「それは成立する」

男「人化、解いたのか。見たかったな」

女妖怪「見て楽しいものでもあるまい」

女妖怪(本来の人化を解く、ということがどういうことなのか)

女妖怪(それはまだ、いいか……)

男「な、なんだよ」

女妖怪「何、たまには頭くらい撫でられるのも良いじゃろ」

男「はずかしいからやめろって……」

女妖怪「本当に嫌なら、腕を振り払えばよかろ」

男「そんなこと……」

女妖怪「ふふ……」




688: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 19:15:30.27
ID:nfJWfDKY0

女妖怪(しかし私の居場所が知られた以上)

女妖怪(話をぼかしつづけるわけにはいかない)

女妖怪「なあ、一つ聞いても良いか?」

男「ん?」

女妖怪「お前は――」

女妖怪(聞きとうないのう)

女妖怪「――どうして私を召喚した?」

男「え、いや、それは童貞――」

女妖怪「どうやって私の召喚術を知ったのか」

女妖怪「どうしてそれに至ったのか」

女妖怪「覚えて、おるか……?」

男「あれ………………、え……?」

女妖怪「……」




698: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 19:23:46.35
ID:nfJWfDKY0

――翌日

男(昨日、あのまま話はうやむやだったけど……)

男(そういえば何で、俺はあいつを召喚したんだ……?)

男(童貞を、なんていうのはあの時とっさに思いついた事で)

男(あの瞬間、自分が何をしているのか、わかっていなかった……)

女「また難しい顔してますね」

男「ん、ああ……」

女「最近、いつもそんな顔ですよ」

女「まるで妖怪にでも憑かれたような」

男「そんなこと……」

女「でもでも、妖怪に憑かれてるかどうかって、自分じゃ分からないですよ?」

女「私も男さんに言われて、ああおかしいんだって気づけたんですし……」

男「……」

男(まさか、な……)




706: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 19:33:00.87
ID:nfJWfDKY0

――休日

男(きてしまった……)

男「神社、ね……」

女「ここの巫女さんが、とってもすごい人だそうなんです!」

女「友達のツテで時間とってもらったんで、ご安心ください!」

男「あ、ああ」

男(いやいや、あいつが悪いやつなわけ……)

男(ま、まあ、見てもらうだけ、見てもらうだけな)

女「こっちですこっち」

男「あ、ああ」

女「元気にしてもらいましょうね!」




708: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 19:38:16.96
ID:nfJWfDKY0

巫女「は、はじめましてっ」

男「は、はじめまして」

巫女「お、お話は伺っております。最近何かに憑かれているようだとか!」

男「ええまあ」

男(実際憑かれてるけど、悪いやつかどうか見てもらいにきただけ、ね)

巫女「わ、私で何とかできれば良いのですが……! あう」

男「だ、大丈夫ですか」

男(なんかすげーわたわたしてる子だなあ)

巫女「あはは、すいません……。いつもこんな調子で、だめですよね」

男「いやいや」

巫女「そ、それではさっそく……!」




711: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 19:47:15.66
ID:nfJWfDKY0

男「……」

男(胸に手を当てられると、なんかむずがゆいな……」

巫女「むう……」

男(あいつは良いやつだとおもうけど……)

男(あいつ自身の言うとおり、妖怪は何を考えているか分からないし)

男(何か隠しているようなそぶりも、時々見ることがある)

男(それに憑いてないとはいえ、死神が近くにいるわけだし)

男(なにより召喚の記憶が曖昧という事実……)

男(正直、不安だったんだよな……)

男(妖怪という存在そのものに対する、恐れとか、そういうのもきっと、溜まってた)

巫女「これは……」

男「ん……?」




730: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 20:04:09.01
ID:nfJWfDKY0

巫女「ご、ごめんなさい、えと……」

男「はい」

巫女「確かに、非常に、非常に強力な何かが憑いております……」

男「それ、どんなのですか」

巫女「んっと……、怨念の塊といいますか、どろどろと禍々しい力……」

巫女「これほどのもの、初めてみました……」

男「……悪霊の類?」

巫女「ほ、ほぼ確実に。悪霊どころか、もしかしたらそれよりも……」

男「……」

巫女「あ、で、でも、狐さんの良い感じもしますよ」

男(妖狐のかな……)

巫女「す、すこーーーーーーーしだけですけど……」

男「そ、そですか」 




735: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 20:12:39.19
ID:nfJWfDKY0

男(しかし妖狐のものまで感じ取れるなら)

男(この巫女の言うことの信憑性は高い……)

巫女「即刻お祓いをするべきかと、思います」

男「ん、んと……」

男(あいつ……やっぱり……)

巫女「これはさすがに、緊急のレベルです……見過ごせません」

男「……」

巫女「あ、ご安心ください!」

巫女「わ、私これでも、何度も経験ありますし、なんとか出来ると思います!」

男「……わかった」

巫女「では、さっそく明日にでも」

巫女「ご都合はつきますか?」

男「……はい」




741: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 20:19:31.71
ID:nfJWfDKY0

男「ただい――」

バチッ

男「!?」

男(神社でもらったお守りが、部屋の前ではじかれた!?)

女妖怪「どうした?」

男「あ、いや」

女妖怪「む……、魔よけのお守りか」

男「ちょっと、もらってさ」

女妖怪「……そうか」

男「ああ……」

女妖怪「飯にするか」

男「たのむ」




749: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 20:28:32.16
ID:nfJWfDKY0

女妖怪(この感じ……、こやつ神聖な場所へいってきたか)

女妖怪(……何があったのじゃろか)

男「……」

女妖怪「うまいか」

男「あ、ああ」

女妖怪「よかった」

女妖怪(ぎこちない……、いままでこんなことなかったというに)

女妖怪「また背中でも流してやろうか」

男「い、いや、いいよ、大丈夫」

女妖怪「そ、そうか。青いやつめ」

男「わ、わるいな……」




751: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 20:35:13.66
ID:nfJWfDKY0

――翌日

男「きたぞ」

巫女「こ、こちらも準備万端です、ささこちらへ」

男「ああ」

すたすたすた

巫女「この部屋に、結界を敷きました」

巫女「力を固定するもので、悪霊を分離する際に使います」

男「へえ、なんかこの感じ、知ってるな」

巫女「この結界ですか?」

巫女「ああ、稲荷神の結界ですから、その加護のあるあなたは知っているかもしれませんね」

男「そっか」

巫女「では、始めます」




753: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 20:38:58.77
ID:nfJWfDKY0

正座し、対峙。

男「あ、あの、その弓と矢は?」

巫女「これは破魔矢です、いざというときのために」

男「そ、それ本物だよね……、すごい光ってるけど」

巫女「見えますか。そうですよ、こういうときのため専用のものですから」

男「そっか……」

男(あいつに何もなければいいけど……」

巫女「目を、つむってください」

男「はい」




758: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 20:41:06.81
ID:nfJWfDKY0

男(また胸に……)

巫女「ふう……」

男(何か、流れ込んでくる)

巫女「……」

男(暖かな……)

巫女「見つけた」

男「えっ」

がくんっ。

男(力が抜――)

巫女「で、出てきなさい。悪霊よ!」




764: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 20:46:43.68
ID:nfJWfDKY0

男「あ――」

それは轟音とともに。
まるで自身から抜け落ちていくように。

男「へ、蛇……!?」

巫女「はぁああッ!」

ずるりずるりと、這い出した。

巫女「お、大きい……!」

男「う、あぁああああッ!」

まるで体の中身をすべて持ち去られるような感覚。
大蛇はトグロを巻き、そして、形づくる。

男「あ、あああ――!!!」

女妖怪「……貴様か」




770: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 20:50:06.54
ID:nfJWfDKY0

すかさず巫女は弓を構え、破魔矢を射る。

男「や、やめ」

シュンッ

巫女「伏せてッ!」

女妖怪「気の早いやつめ」

放たれた矢は彼女の髪をちらし、後方のふすまを貫いて消える。

巫女「くそっ」

シュンシュンッ

女妖怪「現代の巫女ごときの矢にあたると思うてか」

接近した彼女の腕が巫女の首を絞める。

巫女「ハァッ!」

隠していた銀の刀。

女妖怪「ほう」

その手が、離れる。




774: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 20:57:03.97
ID:nfJWfDKY0

その対峙は束の間。

男「お、おい……、だめだ……」

だが彼が仲裁する余地もなく。

巫女「お、お前、何者!」

女妖怪「憤怒と憎悪と嫉妬の化身――」

男「な――ッ」

女妖怪「――清姫じゃ」

巫女「きよ、ひめ……! 蛇姫の伝説の!!」

女妖怪「ようしっておるな」

女妖怪「なれば」

女妖怪「退治できぬことも、しっておろう?」

巫女「く、う……ッ!」




782: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 21:05:21.13
ID:nfJWfDKY0

巫女「ひっ」

噛み付いた無数の蛇が巫女の装束を裂く。

女妖怪「良い肌じゃ。乳房も良い色じゃな。よし。その力、食らってやろう」

巫女「あ、あ……っ」

男「お、おい! だめだ! やめろ!」

女妖怪「何を言うか。この女、私を討とうとしたのだぞ」

男「そ、それは俺が頼んで……」

女妖怪「私と契約しているのにか?」

男「俺は、お前が、悪霊だと知って……、どうにかしなくちゃって……!」

女妖怪「契約を破棄するのか?」

男「……っ」




789: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 21:13:21.57
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「そうじゃ。そのとおりじゃ。私は悪霊。それも人をのろい殺す部類のな」

女妖怪「体は恨みと憎しみでできている。もうどうしようもできない」

男「く、う……」

女妖怪「悪いが」

女妖怪「私は人間ほど、優しくないぞ」

片手で持ち上げられた巫女を見て、
くちゃり、とつぶされた淫魔を思い出す。

女妖怪「どうする?」

女妖怪「契約を破棄するならば、お前を殺し、ここを去ろう」

女妖怪「続けるならば、この巫女を殺し、ここに残ろう」

女妖怪「選べよ、我が餌よ」

男「……ッ!」




812: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 21:25:32.22
ID:nfJWfDKY0

妖狐「はいそこまで! おわり!」

女妖怪「むっ」

妖狐「だめですよ、そんな荒れちゃ」

背広妖怪「大丈夫ですか二人とも。……おや、巫女さん、見えてますぞ」

男「お、おい、こんなときに……」

巫女「くう……」

女妖怪「……貴様ら」

妖狐「天狐の名で仲裁です! ね?」

背広妖怪「私も仲裁いたしましょう。死神の名で死を延長してくださいな」

女妖怪「……ふん」

しゅんっ

妖狐「……ほっ」




824: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 21:32:20.82
ID:nfJWfDKY0

男「あいつは……いったい」

妖狐「清姫ですよ。思い出せませんか?」

男「いや……」

背広妖怪「順に教えてあげると良いでしょう」

妖狐「そうですね」

妖狐「まずは、これを」

男「古い、本……?」

妖狐「わかりませんか?」

妖狐「貴方がずっと大切にしていた」

妖狐「清姫の、本当の物語」

男「…………」

妖狐「ずっとあなたの家に、あったのですよ」




841: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 21:43:47.22
ID:nfJWfDKY0

男「……あ……」

男「きよ、ひめ、様……」

男「安珍(あんちん)に、だまされて……!」

妖狐「そうです、ここに書かれた清姫は、本来の言い伝えとは違い」

妖狐「自ら蛇になったのではなく、安珍に蛇にされたのです」

妖狐「彼女は安珍に性奴隷として使うだけ使われて」

妖狐「最後は捨てられた」

妖狐「ここにあるのは、清姫自身の手記」

男「あ、そ、そうだ……」

男「実家の蔵にあったそれをよんでずっと、俺……」

男「ああ……」




857: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 21:59:46.86
ID:nfJWfDKY0

背広妖怪「古い文字を読むのに、どれだけの時間がかかったことか」

背広妖怪「あなたは手記を解読し、そうして、みつけたのですね」

男「……」

背広妖怪「彼女が残した、この遺品の在り処を」

一枚の紙。そこには、陣がかかれていた。

背広妖怪「彼女を召喚する、彼女自身が書いた陣」

背広妖怪「召喚の方法は、手記に記されていましたね」

男「……そう、そうだ」

男「でも、どうしても最後の一つがそろわなかった」

男「だけどそれはあの日、俺が彼女を召喚した日に、自らやってきたんだ」

男「弱りかけた、黒い小さな蛇が」




860: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 22:05:53.24
ID:nfJWfDKY0

男「俺が召喚することで、彼女を救えると思ったんだ……」

妖狐「そうですね」

妖狐「彼女はあなたの召喚により人化し、完全な服従状態になることで」

妖狐「姿をくらますことと、傷を癒すことができた」

妖狐「普通の妖怪は、人間に服従するくらいなら、自身で隠れます」

妖狐「人化の間は、元の姿に戻ることもできませんからね」

妖狐「その不自由を受け入れるほど、彼女は弱っていたのです」

妖狐「安珍との、戦いで」

男「でもなんでその時の記憶を……」




867: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 22:13:26.75
ID:nfJWfDKY0

背広妖怪「……なぜ私があなたに憑けないか、わかりますか?」

男「なんとなく」

背広妖怪「察しがよくてたすかります」

背広妖怪「そのとおり。あなたがもう、死んでいるからです」

男「……そうだな」

男「清姫召喚の代償は、命。……そう書いてあった」

妖狐「清姫の記憶もそのとき、ですね」

男「でもそれは書いてなかったような……」

妖狐「清姫のやさしさだったのだとおもいますよ」

妖狐「清姫があなたという個人の存在を知ってはいなかったでしょうが」

妖狐「無駄なことを考えさせないように、余計なことを考えさせないように」

妖狐「いつも彼女が言っていた事、面倒事に関わるな、が正にそれ」




881: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 22:20:53.01
ID:nfJWfDKY0

男「そう、か……」

男「そういう、ことか……」

男(悪霊は悪霊、でも、そうなってしまったのは彼女のせいではなく……)

男(俺は……)

男「そ、そうだ! 今あいつは!? 謝らないと……ッ!」

妖狐「ふふ、よかった、元気になって」

背広妖怪「うちの使いが後を追いかけていますよ」

背広妖怪「行きますか?」

男「さすが同士! たのむ!」

背広妖怪「いえいえ、恩義がありますから」




890: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 22:27:52.24
ID:nfJWfDKY0

女妖怪(嫌われて、しまっただろうか)

女妖怪(妖狐はあの本を持っていたようだし、記憶も戻ってしまっただろう……)

女妖怪「しかし、タイミングが悪いものじゃな」

女妖怪(先の悪魔の伝達の所為か、もうヤツがきている)

女妖怪(先の戦いの後で多少疲弊しているが)

女妖怪(せめてアイツには手出しをさせてはならない……)

ゴッ

女妖怪「そこか――ッ」

僧「やあ、ひさしぶりだね」

女妖怪「……安珍ッッ!!!」




907: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 22:33:11.61
ID:nfJWfDKY0

僧「なんだ、人化しているなんておもってなかったよ」

僧「さあおいで、そんな人の殻など脱いで」

女妖怪「貴様を殺してからな」

僧「殺すにしたって、人の殻を脱がなきゃ」

女妖怪「……」

僧「そうか、契約した人間に、執着してしまったか」

僧「そうだな、人化をこの場で解いたら、そいつも人間ではなくなってしまう」

僧「君が人間だから、彼も人間。君が妖怪となれば、彼は――」

女妖怪「だまれェッ! 貴様に何が分かる、人の身で悪魔に身を売った下衆に!」

僧「あはは、ひどいなあ」




944: 童貞がお送りします 投稿日:2011/08/21(日) 22:40:13.59
ID:nfJWfDKY0

女妖怪「今度こそ、殺す」

僧「その体で?」

女妖怪「殺すッ!!!」

僧「うん、おいで」

ドゴォッ

僧「人の身でよくやるなあ」

女妖怪「グオォォッ!」

僧「ふむ、女性らしからぬ」

女妖怪「貴様にィッ……何がわかるとッ! いうのかッ!!」

女妖怪「ヤツは、ヤツは、あの手記に込めた私の気持ちをッ! 読み取ってくれたッ!」

女妖怪「それだけで、命を投げ捨てるほどッ! やさしい人間の気持ちをッ!!」

女妖怪「人のぬくもりをしらぬ貴様にッ! 何が分かるというのかァアアッ!!」




126: 投稿日:2011/08/21(日) 23:14:19.51
ID:4igJAu30o

僧「しってるよ?」

僧「知ってるから――」

僧「――楽しいんじゃないか」

女妖怪「その口を二度と聞けぬようにしてやる!!!!」

僧「いつもいってるもんね」

女妖怪「黙れッ!!!」

僧「むう、君と会話するのは好きなんだが」

女妖怪「黙れェェッ!!!」

僧「まあまあ」

ズゴッ

女妖怪「か、ハッ……」

僧「これじゃあ、落ち着いて君を食べられないよ」




131: 投稿日:2011/08/21(日) 23:20:04.15
ID:4igJAu30o

男「清姫ーッ!」

女妖怪「ぐ……がっ」

僧「お仲間か? 飛んできたのか、いいね」

背広妖怪「これが噂に聞く僧ですか、お強そうだ」

ズザザザッ

男「大丈夫かっ!?」

女妖怪「ぐ、ぐググ……」

僧「もうすぐ食べられるところだったのに、邪魔しちゃいかんよ?」

男「お前か、安珍……ッ!」

僧「しってるのか。まあ、有名だしなあ」

僧「かわいそうだろ? 女に追いかけられて殺された男だよ」

僧「そしてこいつが追ってきた女。怖いなあ」




133: 投稿日:2011/08/21(日) 23:25:07.40
ID:4igJAu30o

男「嘘が得意だな……ッ!」

僧「ん?」

男「そうやって、言い伝えを書き換えたのか!」

僧「何の話やら」

男「知っている、知っているんだ!」

男「清姫を蛇に変えたのはお前だと! こいつをこんなにしたのはお前だとッ!!」

男「すべてこいつが書き記していた。すべて読み解いた」

僧「ほう、そんなものがあったのか」

僧「じゃあ、消さなきゃね」

男「お前……ッ!」




137: 投稿日:2011/08/21(日) 23:31:33.41
ID:4igJAu30o

背広妖怪「手をかしますか」

男「い、いや、それはだめだ」

男「これはあいつの問題なんだ、それじゃいけないんだ」

男「俺だって、だめなんだ」

男「そう、だから――」

男「――俺のことなんて気にするなッ! 解け! 人化を!」

女妖怪「な……っ」

男「ここにくるときに、こいつらから聞いた!」

男「お前は優しいから、だから解けないんだろ!!」

男「気にするな!! いけ!!!」

女妖怪「く……ッ」




142: 投稿日:2011/08/21(日) 23:36:01.09
ID:4igJAu30o

僧「ほら、そういってるぞ」

僧「解いたらどうだ」

女妖怪「ぐ、ぐぐぐ……ッ」

僧「倒れたままにらみつけるのが精一杯か」

女妖怪「お、おのれ……ッ!」

僧「ではまとめて――」

妖狐「まにあった!!!」

男「――!?」

妖狐「準備完了です、いきますよ!」

妖狐「結界、起動!!」

僧「ほうっ、天狐かッ!」




144: 投稿日:2011/08/21(日) 23:40:31.17
ID:4igJAu30o

背広妖怪「なるほど稲荷の結界!」

女妖怪「ぐ、ぐぐぐ」

男「大丈夫か?」

女妖怪「……嫌わぬか」

男「何を?」

女妖怪「私の姿を見て」

女妖怪「巫女に呼び出されたとき、おびえてたではないか」

男「……そんなことないよ」

男「びっくりしただけで。君だって分かってたから」

女妖怪「……」

女妖怪「わかった」

男「うん」

女妖怪「うぅぅぅうおおおおおおおああアアアあああッッッ!!!!」




149: 投稿日:2011/08/21(日) 23:51:54.69
ID:4igJAu30o

僧「それでこそッ!」

僧もまた、人の姿をすてる。
その黒い姿は、形容もし難かった。

二人の戦いは長く長く続いた。
まるで残った最後のともし火を散らすように。

何百年と長く続いた戦い。
その終止符がみえていた。

背広妖怪「使わないのですか」

男「……」

背広妖怪「手記に書かれたもう一つの術」

男「あれを使えば……、でも」

背広妖怪「どちらも弱っております。タイミングは今くらいしか」

背広妖怪「手記にかかれているならば、それは彼女の望みなのではないでしょうか」

男「……」




155: 投稿日:2011/08/22(月) 00:03:32.47
ID:KEsihX9To

妖狐「あのままでは、倒せないですよ」

妖狐「よくて相討ち。あの僧、強いです」

男「……」

男「……清姫!」

女妖怪『ぐぅおおおおおおおッ!!!』

その雄たけびは、彼女の同意に聞こえた。

男「封印の、術!」

召喚の陣を裏返し、その上に手記をおく。
もう手記の内容など、覚えてしまった。
だから俺はそのまま、そこに書かれている術を読み上げていった。

おわり、叫ぶ。

男「この手記に、清姫ごと安珍を……封印しろッ!!!」

瞬間、それは召喚をしたときのように輝いて。

僧『う、オォォオオオオッッ!』

清姫は安珍に巻きついたまま離れず。

男「じゃあな」

手記の中へと、解けていった。




157: 投稿日:2011/08/22(月) 00:07:30.79
ID:KEsihX9To

男「ん……」

男(俺の、部屋?)

妖狐「あ、おはようございまーす」

男「妖狐……、あれ、俺」

男「生きてる?」

妖狐「清姫を殺さなかったですからねー」

妖狐「まだ契約が履行されてないですし、そのままです」

男「あ、童貞……」

男「じゃなくてっ! あいつはっ!」

妖狐「その手記の中に」

男「……そうか」




160: 投稿日:2011/08/22(月) 00:13:33.89
ID:KEsihX9To

男「もう、喋れないのか?」

妖狐「うーん、無理でしょうねえ」

妖狐「封印ってくらいですし、彼らは深い深い眠りについたままでしょう」

男「……そうか、さすがに都合が良すぎるか」

男「俺が童貞をすてたら、おきてくれたりするのかな」

背広妖怪「さてどうでしょうな」

男「おわっ、いたのか」

背広妖怪「今きました」

男「そ、そうか」




162: 投稿日:2011/08/22(月) 00:18:12.72
ID:KEsihX9To

背広妖怪「ところであなたの体のことですが」

背広妖怪「契約したままどちらかが封印されるというのは案外よくありましてね」

男「あ、そうなんだ」

背広妖怪「その場合どうなるかというと」

男「も、もしかして……」

背広妖怪「なんと、なにもありません!」

男「え」

背広妖怪「まあ妖怪の仲間入りしたいということでしたら別ですが」

男「それは……いいや」

背広妖怪「でしたらまあ、一生童貞という以外、なにもありませんな」

男「なん……だと……」

背広妖怪「契約したのに生きているとは、運が良い!」

男「ああああ……」




168: 投稿日:2011/08/22(月) 00:21:46.82
ID:KEsihX9To

妖狐「契約に生かされてるから、契約に縛られて当然ですよん」

男「む、そ、そうか……」

男「ちなみに童貞を卒業しようとしたらどうなるんだ」

背広妖怪「そこが寿命ですな。私が狩りに行きますよ!」

男「…………」

妖狐「まあ生きているだけいいじゃないですか」

男「あ、ああ」

男(清姫……いつかなんとかして封印からでてきて俺の童貞奪ってくれよ……)

パララ……。

男「あれ? 手記のページが増えてる?」




169: 投稿日:2011/08/22(月) 00:27:30.32
ID:KEsihX9To

『貴様の童貞は誰にも渡さん。一生童貞めー』


男「……、こ、こいつ……」

背広紳士「ほう、彼女らしい」

背広妖怪「封印されるときに、最後の力を残したのでしょうな」

男「……」


『でも楽しかったぞー馬鹿ー』


男「こ、いつ」


『また会える日を、楽しみにしているぞ』


男「……」


『ありがとう』


男「俺のほうこそ、ありがとう、だよ……!」


男はこうして一生童貞の契約をかぶったまま、
妖怪たちと共に、おかしくて幸せな人生をあゆんでいきましたとさ。



fin





185: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) 投稿日:2011/08/22(月) 00:30:31.89
ID:D109Zzl6o

あ、もしかしてだかぬしの人?違ったらすまんが




206: 投稿日:2011/08/22(月) 00:36:01.00
ID:KEsihX9To

これでおわりです、おつかれさまでしたー!

いたらぬところが多く、見てくれた人、そしてSS板の方にも迷惑をかけてしまったようで
ひじょうにもうしわけないなと思うばかりですorz

1スレで終われる内容と考えていたのですが、なんだか難しかったですね
次回以降注意します

また僕としては、批判もあってしかるべきだと思うので、真摯に受け止めますっ

それと、後日談等は特に書く予定はありません
ごめんなさい

>>185
正解ですです。
今回はいつもとちょっと違った作風なのによくわかりましたねww


それではそれでは、お疲れ様でした!
また何かおもいついたらやりますねっ


■女妖怪「わ、私を呼び出した代償が“童貞”だと・・・!?」

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posted by 昨日みた明後日の夢 at 19:00 | Comment(18) |日記|道草|人気記事はこちら|はてブ
この記事へのコメント
  1. 清姫でここまで話広げられるとか
    1は天才か!
    Posted by at 2011年08月22日 21:44
  2. 面白かった
    映画化に期待
    Posted by あ at 2011年08月22日 21:53
  3. 清姫と安珍を愛してるからこそ
    ここまで書けるんだよなww
    仮面は吹いたwww
    Posted by at 2011年08月22日 22:18
  4. そうか、俺は実は蛇姫と童貞を生贄に契約したんだ!!!

    だから俺は童貞なんだ・・・
    Posted by at 2011年08月23日 01:16
  5. 面白かった

    続きがあれば見たい
    Posted by at 2011年08月24日 10:40
  6. 楽しかった。ありがとうございました!
    Posted by at 2011年08月25日 02:07
  7. 俺も知らない間に契約したっぽいな
    Posted by at 2011年09月01日 04:44
  8. そういえば俺も契約した気がする
    Posted by at 2011年09月02日 07:11
  9. ネタスレが夏目になってアトラクになった、お見事。
    Posted by at 2011年11月14日 18:44
  10. すごい才能がある、君私の会社で本を書かないかね?
    Posted by at 2011年12月21日 23:34
  11. 面白かった!乙でした
    Posted by at 2011年12月26日 18:02
  12. 会社の同僚娘は放置なのか・・・
    Posted by at 2012年02月21日 15:48
  13. 結局童貞のままかよ〜
    Posted by at 2012年06月17日 08:50
  14. めっちゃ面白かった!
    お疲れ様ですd(^_^o)
    Posted by at 2012年12月18日 06:23
  15. めっちゃ面白かった!
    お疲れ様ですd(^_^o)
    Posted by at 2012年12月18日 06:23
  16. 巫女さんはどーなった?
    Posted by at 2013年02月25日 14:36
  17. 巫女さんはどーなった?
    Posted by at 2013年02月25日 14:36
  18. 背広妖怪の姿が脳内で、めぞん一刻の四谷さんに変換されてしまう。
    Posted by at 2013年08月23日 14:39
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